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ロイヤルベビーの名付け

ブログ翻訳006
またまたロイヤルベビーの内容ですが、
名前をめぐるものとしてはちょっと変わったおもしろい記事なので紹介します

筆者のレイチェルさんは摂政(リージェンシー)時代の専門家。
「ジョージ王朝時代の人ならどんな名前をつけるか?」という
他の人とは違った視点で記事を書いています。

この記事がアップされたのはベビーが誕生した7月22日当日
ジョージ王子の名前が発表されたのは7月25日。
名前の由来の記事にもあったように、
誕生前からベビーの名前が何になるのか英国中が注目していました。
赤ちゃんの名前をめぐり、摂政時代にも狂騒が巻き起こっていたようです


ロイヤルベビーの名付け
――ジョージ王朝の三人の王族からのアドバイス

by レイチェル・ノールズ

ロイヤルベビーに名前をつける責任は重大だ。ほかの親なら自分たちの好きな名前をなんでもつけられるが、ウィリアムとケイトは未来の君主にふさわしい、王室の承認を得られる名前を選ばなくてはならない。

では、ジョージ王朝の王族ならウィリアムとケイトにどんなアドバイスを送るだろうか?

ジョージ三世の9人の息子
ジョージ三世とシャーロット王妃には15人の子どもがいた。最初の子は難産の末、1762年8月12日「7時24分過ぎに」生まれた。御衣裳係官のハンティンドン卿が、王妃の副侍従よりも先に、王妃が女の子を出産したと王に報告した。

王は、王妃が無事であるなら「子の性別が少々気にかかるな」と返した。王がそう考えたのはかえってよかった。実際に王妃が産んだのは『丈夫で大きな美しい男の子』だったからだ! このあかんぼうは、父親と父方の祖父母・オーガスタとフレデリックの名をとってジョージ・オーガスタス・フレデリックと名付けられた。父親の逝去後、彼はジョージ四世となる。

ジョージ三世のほかの息子の名は、フレデリック、ウィリアム・ヘンリー、エドワード・オーガスタス、アーネスト・オーガスタス、オーガスタス・フレデリック、アドルファス・フレデリック、オクタヴィウス、アルフレッドだった。言うまでもなく、ジョージ三世はオーガスタスという名前を非常に気に入っていた。
Queen Charlotte from Memoirs by John Watkins 1819-greyscale
シャーロット王妃
(ジョン・ワトキンス 
『英国王妃ソフィア・シャーロット陛下の思い出』(1819)より)

ジョージ三世の6人の娘
ジョージ三世の長女は1766年9月29日に生まれ、同じように家族にちなんだ名前を授けられた。洗礼名はシャーロット・オーガスタ・マティルダ。母親と父方の祖母、そして叔母であるジョージ三世の末妹の名前がとられた。しかし、シャーロット王女は実の名前で呼ばれることはなかった。常にプリンセス・ロイヤル(第一皇女)という称号で呼ばれたからだ。

ジョージ三世のほかの娘は、オーガスタ・ソフィア、エリザベス、メアリー、ソフィア、アミーリアと名付けられた。プリンセル・ロイヤルのふたつめの名、そして次女のひとつめの名としてオーガスタが二度登場していることに目が留まる。

ジョージ三世からウィリアムとケイトへのアドバイス
男の子なら「ウィリアム・チャールズ・オーガスタス」。
子どもの父親と祖父にちなんで。そしてジョージが大好きなオーガスタスという名を。

女の子なら「キャサリン・シャーロット・ダイアナ・オーガスタ」。
子どもの母親、父親、祖母にちなんで。そしてジョージが大好きなオーガスタという名を。
George III from Memoirs of Queen Charlotte by WCOulton
ジョージ三世
(W・C・オールトン
『シャーロット王妃の思い出』(1819)より)


シャーロット・オーガスタ王女の誕生
未来のジョージ四世とそのいとこキャロライン・オブ・ブランズウィックの結婚は完全なる悲劇だった。驚くことに、二人が別居前にともに暮らした短い期間にキャロラインは新しい命を授かった。ジョージはまる二晩一睡もせず、誕生の知らせを待ち続けた。1796年1月7日、ジョージはついに王妃に報告することができた。『王女です。12時間を超える大変な難産を乗り越え、たった今すばらしい女の子が誕生しました。われわれは男児を望んでいたかもしれませんが、はっきりと言います。娘を授かり、わたしはあらゆる限りの愛情を覚えています』。

誕生したあかんぼうは嫌われていた母親の名は与えられず、二人の祖母の名をとってシャーロット・オーガスタと名付けられた。
Princess Charlotte from La Belle Assemblee Feb 1816r
シャーロット王女
(雑誌『ラ・ベル・アッサンブレ』(1816)より)


ジョージ四世からウィリアムとケイトへのアドバイス
男の子なら「ジョージ・ウィリアム」。
ジョージ本人と子どもの父親にちなんで。ジョージは自分のことがあまりにも好きすぎて、自分の上にほかの誰かの名前を選ぶことはできないから!

女の子なら「エリザベス・メアリー」。
子どもの曾祖母と、ジョージの仲の良かった妹にちなんで。ジョージは妻を嫌悪していたので子どもの母親の名は使わないだろうし、子どもの祖母の名は失敗した結婚を思い出させるので使わないだろう。
キャサリン妃のお母様の名前がキャロル(Carole)でした。
Prince Regent from Huishs memoirs of Princess Charlotte cropped
ジョージ皇太子
(ロバート・ハイシュ著
『故シャーロット・オーガスタ殿下の思い出』(1818)より)


ヴィクトリア女王の誕生
シャーロット王女が逝去すると、王位継承権争いの火蓋が切られた。1819年の時点でカンバーランド公とケンブリッジ公のどちらにもジョージという名の息子がいたが、ケント公の子のほうが王位継承順位は高かった。1819年5月24日、ケント公と夫人であるヴィクトリア・オブ・サクス=コバーグ=ザールフィールド王女のもとに娘が誕生した。
Queen Victoria from Queen Victorias diaries
ヴィクトリア女王
(ダルトン、ヴィンターハルター
『ヴィクトリア女王の少女時代』(1912)より)


ケント公夫妻は娘に、ヴィクトワールあるいはヴィクトリア(母親より)・ジョージアナ(摂政、後のジョージ四世より)・アレクサンドリナ(ロシア皇帝より)・シャーロット・オーガスタ(娘のおばたちより、あるいは祖母と曾祖母か)と名付けることに決めた。形式上、夫妻は摂政に名前を提出し、許可を求めた。するとジョージは厄介なことを言い出した。自分の名をロシア皇帝の名の前に置きたくはないが、ロシア皇帝の後に置かれるのも望まないと宣言したのだ。自分のかわいそうな亡き娘の名をあかんぼうにつけることも認めようとせず、オーガスタは「荘厳すぎる」との判定を下した。洗礼の儀式が始まったときには、あかんぼうが何と名付けられるのかだれにもわからなかった。摂政はあかんぼうをアレクサンドリナと名付けると発表したが、ケント公はエリザベスという名を提示した。摂政はこの提案を退け、最終的にあかんぼうが母親の名を授けられることには同意したものの、母親の名はロシア皇帝の名の後にしなくてはならないと言い張った。結局、あかんぼうはアレクサンドリナ・ヴィクトリアと名付けられ、幼いうちはたいていドリーナと呼ばれていた。

ケント公爵夫人の母親は娘への手紙のなかで、女の子だったことをあなたが喜んでいるよう願っている、と書いている。『イングランド人は女王が好きですからね』と。ケント公は大喜びし、あかんぼうを自慢げに見せては「この子をよく見ておくれ。イングランド女王になる子なのだからね」と人々に言った。彼の言葉は正しかった。
Duke of Kent from D of York memoirs by Watkins2
ケント公エドワード
(ジョン・ワトキンス
『ヨーク・オールバニ公フレデリックの伝記回想録』(1827年)より)


ケント公からウィリアムとケイトへのアドバイス
男の子なら「ウィリアム・チャールズ」。
子どもの父親と祖父にちなんで。

女の子なら「キャサリン・ダイアナ・エリザベス」。
子どもの母親、祖母、曾祖母である女王にちなんで。


あなたは、ジョージ王朝の人々はどんな名前を選ぶと思いますか?

わたしの意見? 男の子なら「ウィリアム・チャールズ・オーガスタス」、女の子なら「シャーロット・キャサリン・ダイアナ」かしら。

参考文献
Hibbert, Christopher, George III (1998, Viking, Great Britain)
Hibbert, Christopher, George IV (1972, Longmans, 1973, Allen Lane, London)
Hibbert, Christopher, Queen Victoria (HarperCollins, 2000, London)
Huish, Robert, Memoirs of her late royal highness Charlotte Augusta (1818)
Oulton, Walley Chamberlain, Authentic and Impartial Memoirs of Her Late Majesty Charlotte, Queen of Great Britain and Ireland (1819, London)
Victoria, Queen, The Girlhood of Queen Victoria, A Selection from Her Majesty's Diaries between the years 1832 and 1840, edited Viscount Esher 2 Volumes (1912)
Watkins, John, A Biographical Memoir of Frederick, Duke of York and Albany (1827, London)


出典
筆者 Rachel Knowles
Regency History "Naming the royal baby – advice from 3 Georgian royals"
http://www.regencyhistory.net/2013/07/naming-royal-baby-advice-from-3.html
2013/8/17アクセス
Copyright Rachel Knowles All Rights Reserved.


似たような名前がこんなに出てくるとは…
ジョージ三世、オーガスタスが好きすぎです!!
親子で同じ名前をつけて、王室のみなさんは混乱したりしないのでしょうか。
ミドルネームもいくらでもつけられるので余計に大変そうです

でも、レイチェルさんが血縁関係や人間関係をうま~くからめて
「命名予想」をされているのがおもしろいです

レイチェルさんにも三本記事をお借りして、これから順次アップしていきます

『読んだよ』代わりにっといただけるとうれしいです。
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