歴史と本と翻訳と ~つばめ翻訳~

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ナショナルジオグラフィック翻訳教室の感想

「ナショジオ 翻訳教室」などのキーワードで検索して
このブログに来てくださる方々が毎月いらっしゃるようです(ありがとうございます!)

今までナショジオの翻訳講座についてはほとんど書いていなかったので、
2012年に「出版実践翻訳コース」を受講したときのことを
少々書いてみようと思います。
(現在とはちょっとカリキュラムが違っていました)

文芸翻訳の勉強をしていたので、
・実際に雑誌として出版されている文章を訳すことができる
・成績優秀なら翻訳スタッフとして日経ナショジオ社に登録してもらえる!
という2点が魅力的で受講しました。
ノンフィクションが好きな方にはたまらない講座だと思います。

・毎回の受講の流れ
専用のウェブサイトに課題がアップされると、登録したメールアドレスにそのお知らせが届きます。
毎回の課題文と、添削後の解説のデータはこのウェブサイト上からダウンロードします。
ダウンロードしたPDFファイルを開く際にはパスワードが必要で、
このパスワードは別途郵送されます。

先生が手書きで赤入れをしてくださった答案も郵便で届きます。

・カリキュラムの内容
現行講座のページを見ると、英語版の本誌の構成をもとにカリキュラムが作られていて、
Columns、Features、Lead、Mainなどが毎回の課題のポイントになっているようです。

私が受講した当時は
カリキュラムが主に文法要素で構成されていて(関係代名詞や分詞構文など)、
その文法が出てくる記事が毎月の最新号から選ばれて課題になっていました。

初級ではなくて上級の「実践コース」なので、
文法を切り口にしなくてもいいのではないかなあと感じていたので、
現在の雑誌の構成をもとにしたカリキュラムのほうが
見出しや本文の特性を考えた翻訳なども学べておもしろそうだなと思います。

・課題の長さ
分量は毎回200ワード強、3パラグラフほどでした。

・課題の分野
私が受講した期間は、自然科学の分野の記事が多かったように思います。
人文系のノンフィクションが特に好きなので、
文化人類学や古代史などをテーマにした記事と半々だったらよかったなーと思いますが、
課題は毎月の英語版最新号から抜粋されるので、
その中に必ず人文系の記事があるとは限らないから仕方ないですね。

でも、普段あまり読んでいない自然科学系のテーマも新鮮で
調べたり訳したりするのが楽しかったです。

・添削
先生は毎回たっぷり赤字を入れてくださって
コメントも手書きで一言添えてくださいます。
ただ、なぜここがまずいのか、なぜこうしたほうがいいのか、などの
個別の説明は、赤字や解説にはありませんでした。

先生のお名前は記載されていませんでしたが、
全12回を通じて同じ方が添削・解説をしてくださったようです。

・解説
その回でポイントとされていた文法要素に注目した解説、
誤訳が多かった箇所の解説、全体の講評が
A4一枚にまとめられていました。

このほかに訳例があります。

・成績
答案はA、B+、B、B-、Cの5段階で評価されます。

毎回の解説に、受講生全体の成績の内訳を示す円グラフが載っていました。
同時期に受講している人数はわかりませんが、これで成績の分布はわかります。
半分近い人がA評価を取っていた回もあり、
全体を通じてCの人がいたことはなかったのではないかと思います。
というわけで、評価は全体的に高めという印象でした。
これだけ評価が高いとAを取ってあたりまえくらいの出来でないと
翻訳スタッフとして登録されるのは無理だろうなと思っていました。

・総合評価と翻訳スタッフ登録
毎回の答案の評価とは別に、全12回の総合評価がA、B、Cで判定されます。
受講開始時の資料によると
総合でA評価になった人が翻訳スタッフとして登録されるようです。

私は全12回の半分ほどA評価をいただきましたが、
総合評価はBで登録には至りませんでした。残念!

・受講しての感想
ナショジオで受講するまではずっとフェロー・アカデミーで学んでいたので
どうしてもフェローと比較してしまうのですが、
ナショジオの講座はどちらかというとビジネスライクな感じでした。

なぜそんなふうに感じたのかなあと色々考えてみたのですが、
・専用サイトの説明や、添削・解説の内容がとてもコンパクトで必要最低限だったこと
・公式サイトに人の顔(担当者、添削者、受講生など)や体験談などが一切出ていない
のが理由なのかもしれません。
どんな人が企画・運営している講座で、どんな人が添削してくれて
過去の受講生の感想はどうだったのか、などがわかると
自分に合いそうかを考えられるし、
初めて申し込むにもなんとなく敷居が高くなくなりますよね。

受講する側としては、
申込みや受講の流れ、添削時の解説などを
もう少し具体的に踏み込んで書いてほしかったという感想が残りました。
実践コースだったせいもあるのかもしれませんが、
翻訳者を「育てる」というよりは「学習サービスの仕組みを提供している」と考えているのかも?

また、ナショジオの講座では
「英語版と日本語版の両方をテキストとして提供、比較して学習を深められます!」
という点が特徴なのだと思うのですが、
実際に英日版の誌面を一語一句比べてみると意外と違いがありました。
大きく意訳されていたり、パラグラフ単位で順序が変わっていたり、一部が削除されていたり。
これについては公式サイトのQ&Aにも説明があり、
「これはどのような翻訳誌にも起こることです」とされています。

海外の雑誌を日本で発売するときの特徴なのだなーとこのとき知ったのですが、
翻訳を学習している段階では
まったく同じ原文と訳文を比較することがほとんどなので、
だいぶ差異のある文章を見比べるのがちょっとやりづらかったです。
でも、英日誌のそんな違いを見ることで
英語と日本語の言語的・思考的な違いを考えるきっかけにもなりました。


10月度の申込み締め切りが近づいているので、検討されている方も多いと思います。
一受講生の体験談として、参考になりましたら幸いです


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