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1770年代の巨大な髪に秘められた真実 Part1

ブログ翻訳013

今回は、Twitterの@2nerdyhistorygirlsというアカウントで紹介されていて
おもしろいなあと思った記事を翻訳します。


1770年代の巨大な髪に秘められた真実:パート1
by イザベラ・ブラッドフォード
twonerdyhistorygirls.blogspot.com
2014年7月22日

イザベラの報告です。*1

1_Duchess of Beaufort

18世紀の女性ファッションに疎い人でも知っているのが髪のこと。そびえ立ったヘアスタイルに蛆虫のわいたかつら、鼻をむずむずさせる大量の髪粉のことなら誰もが知っています!

とはいえ、この描写は必ずしも正しくありません。蛆虫だらけのかつらや、肋骨の折れるコルセット。過去のファッションに関するこのような否定的な作り話は、「2014年にいる私たちの方がずっと賢い」という自己満足を与えてくれるため、人々に受け入れられやすいのです。

実際の1770年代の贅沢な髪型は、実のところ後世の作り話よりもおもしろく、理にかなってもいました。当時の髪型は確かに奇抜でした。フランスの宮廷で生まれてイングランドに伝わったもので、社会的地位を示すファッションでもありました。髪型の複雑さは、その女性に髪に費やせる時間があるだけでなく、多くの場合、プロの結髪師や髪結いの技術を持つ侍女を雇えるほど裕福であることの表れでした。高さのある髪型は顔を際立たせ、この時代のたっぷりとしたスカートとのバランスが良く、当時あこがれの的であったプロポーションを作り上げました(現代のファッションはこんなに奇抜ではないと思う人は、1980年代の婦人服に流行した巨大な肩パッドを思い出しましょう)。

画像1枚目のボーフォート公爵夫人は、高々とフォーマルに結い上げた髪がお気に入り。巨大なまとめ髪には髪粉が振りかけられていて、褐色の地毛はその下にわずかに見えるだけです。

大きなまとめ髪は、それほどフォーマルでない衣装とも相性が良いとされていました。ヴィア夫人(画像2枚目)の衣装はシンプルで、髪粉はつけていません。リボンや帽子はつけていないものの、髪はうず高くピンでまとめられています。

2_Mrs Vere N Dance 1770s hair

また、大きなヘアスタイルは上流階級に限られたものではありませんでした。この時代の版画や絵画を見ると、女中や女優、帽子職人に仕立て師、裕福な紳士の愛人など、おしゃれに夢中な女性たちがこぞって大きな髪型をまねていたことは明らかです。この酒場の女給(画像3枚目)は、客の気をもっと引こうと凝った帽子をまとめ髪の上にのせています。

3_Screen Shot 2014-07-21 at 43156 PM

私が驚いたのは、このような髪型のほとんどはかつらではなく、本人の地毛でできているということです。ジョージ王朝時代の紳士は、ほぼ全員が髪を短く切ってかつらを着けていましたが、女性がかつらを着けることはめったにありませんでした。髪は切らずにできるだけ長く伸ばしていたのです。女性たちは髪にスポンジやカーラーでボリュームを持たせ(詳しくはパート2で)、必要であれば作り物の巻き毛やかもじを足し、さらに羽根、帽子、リボン、模造真珠などで飾っていました。

風刺画家たちは当然これを見逃しませんでした。頭の上に庭園を丸ごと、フォーリー建築までのせている下の画像のレディのように、奇抜な髪型は絵の中でさらに誇張されました(こちらこちらのページにも髪型の風刺画があります)。このような風刺画は大きなヘアスタイルを馬鹿にできるだけでなく、女性の虚栄心とフランス風ファッションの滑稽さをもあざ笑う、風刺画家にとっては“一石三鳥”といえるものでした。

4_lwlpr04193.jpg


さて、1770年代の女性たちはどうやってこんな髪型を作っていたのでしょう? 次回のパート2では、コロニアル・ウィリアムズバーグの友人たちに協力してもらい、たくさんの画像とともにその答えをお教えします。

5_Screen Shot 2014-07-21 at 31557 PM
(協力してくれた友人の一人、
仕立て師見習いのサラ・ウッドヤード)

画像1枚目詳細:トマス・ゲインズバラ『ボーフォート公爵夫人』1778年 エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルグ)所蔵
画像2枚目詳細:ナサニエル・ダンス『ヴィア夫人』1770年代 個人所蔵
画像3枚目詳細:キャリントン・ボウルズ『かわいい酒場女給』1778年 イェール大学ウォルポール図書館所蔵
画像4枚目詳細:マティアス・ダーリー『花咲く庭園』1777年 イェール大学ウォルポール図書館所蔵
画像5枚目詳細:マーガレット・ハンター・ショップ(コロニアル・ウィリアムズバーグ)より写真を借用

訳注
*1:引用元のブログはお二人で書かれているため、
毎回記事の冒頭に担当者名が記載されています。



出典
筆者 Isabella Bradford
TWO NERDY HISTORY GIRLS The Truth about the Big Hair of the 1770s: Part One
http://twonerdyhistorygirls.blogspot.jp/2014/07/the-truth-about-big-hair-of-1770s-part.html
2014/10/8アクセス
Copyright Isabella Bradford All Rights Reserved.


訳したきっかけ
Twitterで西洋の歴史に関するアカウントを色々とフォローしているのですが、
中でも特に好きなアカウントのひとつが@2nerdyhistorygirls です。

mudai.png

ツイートからリンク先のブログに飛んでみると
おもしろい歴史記事がたくさんあって、ぜひ訳したい!と思いました。

Twitterとブログの共同運営者であるスーザン・ハロウェイ・スコットさんは
アメリカ在住のプロの作家。
スーザン・スコット名義で歴史小説、
別名のイザベラ・ブラッドフォード名義でヒストリカル・ロマンスを書かれています。
ヒストリカル・ロマンスは日本でも翻訳版が発売されていて、
別の作品も近々日本で出版予定だそうです。

プロ作家の方に「無償で記事を借用したい」というのは失礼かと緊張しましたが、
「だめもと!」と思いきってメールしたところ、
快くOKのお返事をいただきました。
共同運営者のロレッタ・チェイスさんとともに、
「私たちのブログの読者がそんな遠いところにいるなんて」と
喜んでくださったそうです。
「そのまま転用している人が多いのに、
わざわざ許可をとってくれてありがたい」
とも言ってくださってうれしく思いました。

訳してみて
読んでいて具体的なイメージが浮かびやすかったので、
今回はそのままではどうしても日本語にしづらかった部分は原文から少し離れて、
イメージを伝えることを優先して思いきって意訳しました。
文章でイメージを見せるのはやはりプロの成せるわざなのでしょうか。

また、これまでは常体(で・ある)で訳すことが多かったのですが、
イザベラことスーザンさんたちの文章をブログで読んでいると
どちらかというと敬体(です・ます)の雰囲気があるように思い、
今回は敬体で訳してみました。

反省点・課題
・髪型のbig, tall, largeの訳し分け、ニュアンス
→大きな、高さのある、巨大な

・コンマがあると文法構造の把握に手間取りやすい。

・原文から離れすぎていないかな?(その判断)

----------------------------------------
(蛇足ですが、画像2枚目のヴィア夫人、V6の岡田くんに似てませんか…?)
(私だけかな…)


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