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1770年代の巨大な髪に秘められた真実 Part2

ブログ翻訳014
前回のイザベラさんの記事の続きを訳しました
読んでも訳してもとてもおもしろかったので、
みなさんにも楽しんでいただけたらうれしいです!


1770年代の巨大な髪に秘められた真実
パート2 『髪型の作り方』

by イザベラ・ブラッドフォード
twonerdyhistorygirls.blogspot.com
2014年7月24日

イザベラがお伝えします。

1770年代の女性のそびえ立った髪型のことを考えるとき、否応なく浮かんでくるのは「どうやって作っていたのだろう」という疑問です。その答えを、コロニアル・ウィリアムズバーグの二人の友人、マーガレット・ハンター・ショップで仕立て師見習いをしているアビー・コックスとサラ・ウッドヤードに聞いてきました。
1_SarahW_ hat

この若い女性たちは日ごろから1770年代の服装をしているだけでなく、できる限り「本物」らしく見せるために常に当時を研究しています。ファッションを生業としていた18世紀の帽子職人や仕立て師、その店の助手たちは、個人的な好みとしてだけでなく商売の宣伝として最新スタイルの衣装を身に着けていました。その様子は版画に見ることができますが、下の絵の帽子職人たちは髪も帽子も凝っています(先日のカンファレンスでマーガレット・ハンター・ショップがこの版画を再現した様子はこちらから。もっと大きな髪型もあります!)。

2_Screen Shot 2014-07-23 at 103543 AM

アビーは見習い業務の一環として、一次資料や版画でこのような髪型やジョージ王朝時代のヘアケア全般の秘密を調べてきました。ここでアビーの発見のごく一部をご紹介しましょう(共有してくれたアビーにとても感謝しています!)。

まず、「ふんわりした清潔な髪」という21世紀の考えは忘れてください。18世紀の女性たちは髪をごしごし洗わずに、汚れを落とすだけでした。石鹸と水を毎日使う代わりに(髪を傷める可能性があります)、指で髪にポマードをもみこみ、髪粉を加え、力を込めてブラシや櫛でとかしていたのです。ポマードは獣脂に香料を混ぜたもので、家で作ったり購入したりしていたようです。髪粉は細かく挽いたでんぷん粉の一種に、砕いた羊や牛の骨と、花の香りを軽くつけるためのニオイイリスの根の粉が入っていました。

アビーは18世紀の作り方にしたがって、羊や豚の脂にレモンエッセンスと丁子油でポマードを作り、瓶詰めにして保存しています。この混ぜ物はすばらしくよい香りがしました。さらに、アビーによると丁子油はノミやマダニの天然の虫よけになるそうです。アビーの髪粉の作り方は、1772年に初めて出版された『植物を使ったお手入れ方法』を基にしています(オンラインで読むにはこちらから)。ポマードは頭皮マッサージ料の一種として使う濃厚なコンディショナー、その後に使う髪粉はドライシャンプーと考えてください。また、このような方法で髪を手入れしていたのはジョージアン期の人々ばかりではありません。美しく長い髪で知られるインドの女性たちも、オイルと櫛を使って髪の汚れを落とす同じような方法を昔から用いています。

3_Rebecca-profile.png

このような手入れは頻繁に為されていました。ジョージアン期の女性たちは、どんなに凝った髪型であっても夜にはいつも髪をほどき、櫛でとかしていました。多くの女性にとってはアロマセラピーでリラックスする1日の終わりの儀式のようなものでしたが、そのようなことをしない不精で自堕落な女性もおそらくいて、そこから蛆虫伝説が生まれたのでしょう。

こうして手入れされた髪は、スタイリングがずっと楽になりました。現代の美容師が髪をアップにしようとする前に、ドライシャンプーを使い、髪をなめらかにしてコシをあたえるのととまさに同じです。スタイリング前にさらに髪粉を振りかけると、流行りのマットな「くすんだ」見た目になり、暗い髪色が淡くなりました。1950~60年代のビーハイブヘアとは違い、ジョージアン期の女性たちは逆毛は立てませんでしたが、ローラーやクッションと呼ばれたパッド状のもの(下の画像)でボリュームを出していました。これらは18世紀の「バンピッツ」*と思ってください。

4_hair cushion

5_Hair roller

6_Abby with hair roller

パッドは着ける人の髪に合うようにウールの布地を縫って作られ、羽毛や羊毛をふかふかに詰めた枕のような形をしていました。(上の画像でアビーが実演しているように)髪をパッドに巻きつけるか、パッドの穴に通し、なでつけたら(Uピンで)好みの形に留めます。サイドの髪をカールさせてピンで留めたり、編み込みや人工のカールをさらに足して仕上げたりすることもありました(上から3枚目の画像でもっと凝った髪型をしているのは、ショップの3人目の夏期インターンのレベッカ・スターキンス。ニューヨーク大学の英文学の博士論文執筆資格取得者です)。当時はムースもジェルもヘアスプレーもありませんでしたが、ポマードと髪粉で必要な耐久性が得られたのです。

7_Abby with rolled hair

5_Screen Shot 2014-07-21 at 31557 PM

18世紀の忙しい見習いは、出勤前にこれらすべてを行うのにどのくらい時間がかかっていたのでしょう? アビーやサラを目安とすれば、決して長くはかかりませんでした。二人は上の画像のような凝った髪型を10分から15分ほどで仕上げました。現代の若い女性の多くがブローやストレートアイロンにかけている時間よりも短かったのです。技術のある18世紀のプロの結髪師なら基本的な形には10分もかからず、うず高く髪を結い上げ、花やリボンや真珠で完成させることができたでしょう。

さらに驚くべき事実があります。アビーもサラも現代のヘアケア製品を一切使っておらず、ポマードと髪粉で自分たちの習慣を実践しているのです。(現代の)美容院にカットに行くと、健康で丈夫でたっぷりした髪にびっくりされるそうです。おまけに、以前より髪の状態が良いと二人は断言します。うーむ……きっと昔のお手入れこそが一番なのでしょうね。

記録として:髪の長さは、アビーは肩のすぐ下、サラは背中の真ん中あたり、レベッカは腰まであります。みんなどうもありがとう!

画像2枚目詳細:『朝の散歩、あるいは帽子職人の店』1782年 キャリントン・ボールズ出版 ブリティッシュ美術館所蔵
写真撮影:マーガレット・ハンター・ショップ、スーザン・ハロウェイ・スコット

訳注
バンピッツ:米国の「盛り髪コーム」の商品名です。



出典
筆者 Isabella Bradford
TWO NERDY HISTORY GIRLS The Truth about the Big Hair of the 1770s: Part II: How They Did It
http://twonerdyhistorygirls.blogspot.jp/2014/07/the-truth-about-big-hair-of-1770s-part_24.html
2014/11/23アクセス
Copyright Isabella Bradford All Rights Reserved.


訳したきっかけ
前回の続き。

訳してみて
水を使わない髪のお手入れと、こんなに凝った髪に15分もかからないというのが衝撃的でした。

髪の量が多く、乾燥気味でくせっ毛なうえに不器用な私には、
パッドやオイルだけではとてもとてもまとめ髪はできません

オイルと粉だけで洗髪はしないというのもにおいやべたつきが心配になりますが、
ネットで調べてみると
「毎日は洗わずにドライシャンプーを使うといい」という意見が
最近は国内外問わずあるようです。

髪の手入れやヘアアレンジのやりやすさは
風土や毛質の違いもかかわってくるのだと思いますが、
丁子油(クローブオイル)というものが日本でも海外でも古くから髪の手入れに使われていたと知って
おもしろいなあと思いました。

そして、「盛り髪」が1770年代→1950年代→2000年代と流行をくりかえしているのもおもしろいですね

反省点・課題
以前ツイッターで見かけた
「文章によって訳すべき速さが違う」ということを考える。
スピード感をもって訳したほうがいい文章と、
じっくりじっくり時間をかけて訳した方がいい文章。
作者がどんなふうに書いたかもそれに影響するのかもしれない。
作者が勢いにのってがーっと短時間で書いたのなら、
翻訳もスピードにのったほうが雰囲気が近くなるのかも、と思う。

翻訳の仕事を何度かしたことで、
お金と締切が訳すスピードにとっての大きなファクターであることを実感。
両方がない趣味の翻訳は、
楽しいけれど楽しみすぎてだらだらとやってしまう。


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