
「あなたの翻訳は大丈夫? ~翻訳者による品質保証を考える~」を、DVDで拝聴しました。
テリーさんが製造業(メーカー)の考え方を応用されて、
翻訳という仕事の品質管理についてお話されています。
「翻訳者は職人」という表現はよく耳にしますし、
テリーさんもセミナーの中で実際にそうおっしゃっているのですが、
職人の「コツコツ地道にひとつのものを丁寧に作る」というイメージしか私の中にはなく、
職人=物を作る人、∴翻訳=製造 と意識したことがありませんでした。
(追記:テリーさんは「翻訳=製造」という表現は使われていません。
お話をうかがううちに、私が個人的にそう感じてメモしたものです)
原文を読み、訳文を書いていると、
脳みその言葉が出てくる部分ばかり意識しているせいか
すごく混沌とした作業になります。
言葉を探すためにぐるぐるぐるぐる、やみくもに思考が動き回っている感じ。
でも、「翻訳は製造」と考えると、
翻訳には実は澄んだ部分がある…というか、そうでなくてはならないのでは、
と感じました。
翻訳の品質とは、文質の良さ(「読みやすいか、文章としてきれいか」)と、凡ミス無し。
凡ミスは英語や翻訳がわからない人でも一目でわかるミス。だから怖い。
(私は「いかに美しい日本語を書くか(気持ちを入れるか)」ということばかりに意識がいって、
基本的なミス(ヒューマンエラー)をつぶすための工夫が欠けていました)
翻訳の品質を判断する条件・基準を、5W2H方式での条件マトリックスで考える。
用語の不統一、訳抜け、転記ミス、スペルミス、全角・半角の混在、言葉の誤用などの凡ミスは
最初から出さない仕組みを考える=「ぱっと知覚できる単純な仕組み」が必要。
ミスをしたらその場で修正
→修正できる環境(ツール)を作り、自分の知覚(視覚、聴覚など)をフル活用する。
人間の補完能力の高さは逆に危険。
ミスを排除するためにどこにツールを使うか。どう使うかを考える。
ツールの精度と限界、そして自分のチェックの限界を把握する。
ミスをしないため、ミスに気づくための自己鍛錬。
→自分の「品質保証フロー」を作る。
ヒューマンエラーはすべて翻訳者が保証すべき部分。
「品質が保証できない仕事は断る」
(このセミナーのDVDはJTFのサイトでどなたでも購入できます)
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